これらは、FoodNavigator-Asia誌とNutraIngredients-Asia誌が主催した「Growth Asia Interactive Broadcast Series 2021」のハイレベルなパネルディスカッションで得られた知見である。
ヘルシーエイジング セッション:運動性と認知健康に関するセッションは、両誌の編集長であるGary Scattergoodが議長を務めた。(オンデマンド視聴はこちらから)
パネリストは、森永乳業次世代科学研究所所長のDr Jin-zhong Xiao氏、Ārepa共同創設者兼CEOのAngus Brown氏、米国酪農品輸出評議会 (USDEC) 東南アジア地域ディレクターDali Ghazalay氏、GencorマネージングディレクターのRamasamy Venkatesh氏、Senescence Life Sciences創設者兼CEOのDr Shawn Watson氏である。
科学
パネリスト全員が、すべての製品について、二重盲検無作為化対照臨床試験(RCT)が絶対的基準であることに同意した。
Gencor社は現在、変形性関節症と睡眠に関するRCTを実施している、一方、森永乳業は最近、軽度認知障害が疑われる健康な高齢者において、16週間のプロバイオティクス摂取後の即時記憶および遅延記憶の改善に関して、そのプロバイオティクス株、Bifidobacterium breve MCC 1274 (B・ブレブA 1) のRCTを完了した。
現在、このエビデンスに基づいてプロトタイプを作成しており、将来的には健康強調表示を登録して製品を発売する予定。
ニュージーランド産のカシス、松樹皮、L-テアニンを含む向精神薬を製造するArepa社は、4つの特定分野で複数のRCTを実施している。
Brown氏によると、製剤が如何に精神的、肉体的、環境的な条件下で、集中力を高め、ストレスを軽減することができるかどうかを研究するとのこと。
Arepaのもう一つの研究課題は、このフォーミュラが短期的にだけでなく、長期的に脳をどのように保護するかを研究することである。
Brown氏は、「自然で安全、かつ世界に拡張可能で入手可能な食品を通じて、標準的な神経学的衰退の発生を遅らせることができれば、毎年、世界の2兆円の経済的負担を軽減することができます」と付け加えている。
しかし、認知研究の課題の一つは、効果を評価するのに必要な期間が長いことだとDr Xiaoは言っている。
運動や認知のための栄養補助食品については、医療従事者による主流採用が不進んでいなと Dr Watsonは付け加えた。
また、市場に出回っているサプリメントの多くは、病気の発症を抑えるのではなく、症状を改善するためのものだと話す。
「確かに、業界では多くの二重盲検プラセボ対照試験が行われ、長い道のりを歩んできました。次のステップは、症状の改善から疾患の改善へと進むことだと思います。これらの中には、疾患の改善効果を示す可能性が高いものもあります」と述べた。
症状が出る何年も前に発症することが多い、アルツハイマー病を例として挙げた。「私たちは、病気の経過を実際に修正していることを示す科学の開発を始める必要があります。」
新製品開発
可動性の面では、乳製品タンパク質を含む地域に適した食品や飲料を幅広く開発・導入することで、消費者がタンパク質摂取量を最適化できるよう、食品・飲料商品設計者が強力な立場にあるとGhazalay氏は述べている。
彼女は製造業者に原料の栄養価を考慮するよう助言した。
Venkatesh氏によると、現在アジアで人気のあるフォーマットはゼリーとスクイーズジェルだという。
「特にこのコロナウイルスによって、東南アジア全域で錠剤以外の剤型の需要が伸びています。」
特に生物学的利用能が広く業界内で統一された測定尺度がない中で、デリバリーシステムはメーカーにとっても重要である。
「最もよく話題になるのは、栄養素の生物学的利用能が何倍高いかということです」とVenkatesh氏は語った。
クルクミンを例に挙げて、「唯一の客観的尺度は、血液中の実際の物質1ミリリットル当たりのナノグラムを測定して、どのくらいの量のクルクミノイドが血液中に入るかを測定することです」と付け加えた。
姉妹会社のPharmako Biotechnologies社が開発したデリバリーシステム「LipiSperse」を例に挙げ、栄養素が標的部位に到達する前に、胃の中で胃液によって分解されないようにすることが重要だと強調した。