同社は、温室効果ガスの排出を相殺させるために、政府のJ-クレジット制度を利用せず、再生可能な水力や太陽光を利用した電力を中部電力から直接購入することを選択した。
各務原工場工場では、主にポテトチップス、堅あげポテト、じゃがりこ、じゃがビーを生産している。
カルビー広報部マネージャーのSatoshi Yoshida氏によると、これで各務原工場の電力消費による温室効果ガスの排出量は、これからはゼロになる。
これは、カルビーが2019年に策定した中期経営計画の一環で、2030年までに温室効果ガスの総排出量を30%削減することを目標としている。
排出ガス削減
日本では、政府が2013年から2030年までに国内の温室効果ガスを46%削減することを誓約している。
企業は自社で再生可能エネルギーを作る、外部から電力を購入する、Jクレジット制度を利用することで削減を実現できる。
最も一般的に使われているのは、企業が自らの温室効果ガスの排出量をオフセットするための炭素クレジットシステムであるJ-クレジット制度である。
これは、省エネルギー機器の導入や森林経営などの取組による、CO2などの温室効果ガスの排出削減量や吸収量を「クレジット」として国が認証する制度である。
このクレジット制度は、企業がエネルギー源をより再生可能なものに変えるための奨励金となる。また、クレジットは他の企業に売却することもできる。
しかし、このシステムでは、企業がサステナビリティ戦略上、クレジットを購入すれば十分だと考えてしまい、化石燃料への依存度を下げることができない可能性がある。
自分たちでエネルギーを作り出す別の方法がある。
Yoshida氏によると、日本では工場の屋根にソーラーパネルを設置することが一般的になってきている。しかし、多くの企業、特に中小企業にとっては、コスト、労力、時間が要因となっている。
再生可能エネルギーの電力を直接購入する仕組みは、日本では比較的新しいものであるとの事。
また、カルビーの新しい決定は、「排出量の削減と再生可能エネルギーの拡大に純粋に貢献できる」とも述べている。
包装作業
カルビーは、温室効果ガス削減の一環として、昨年、パッケージのサイズを変更した。
一部の製品の、パッケージの幅を200mmから180mmに短縮、長さを230mmから260mmに延長した。
同社によると、この動きによって、製品の輸送に使用する段ボールの使用量を削減し、輸送時の積載効率を向上させることができる。
これにより、段ボール製造時の二酸化炭素排出量を約11%、使用するトラックの台数を約9%削減できると見込んでいる。