次世代工場:サントリーのIoT対応ミネラルウォーター新工場、問題解決にかかる時間を90%削減

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サントリーは、日本の長野県にあるミネラルウォーター工場に新しいIoT(モノのインターネット)システムを導入し、エラー原因究明を迅速に行うことができるようになった。

このシステムは、550mLと2Lのボトルウォーターサントリー天然水 (北アルプス水源)を製造している「サントリー天然水 北アルプス信濃の森工場」に導入されている。

この工場では、1分間に1,000本のボトルウォーターを生産することができる。サントリーは、この長野県のモデルを評価し、最終的には国内の他の9つの飲料工場にも展開する予定。

IoT基盤

IoTシステムは、日立との共創のもと、デザイン構想からシステムの組込みまで約2年を要した。

サントリー食品インターナショナル株式会社のエンジニアリング部シニアジェネラルマネージャーであるRyo Takayama氏は、次世代ファクトリーモデルの開発を決定した背景には、サントリーが事業の競争力向上を目指していることがあると語る。

日立のLumadaソリューションを使用することで、工場の生産設備や機器、調達・生産・品質管理・出荷などのITシステムからのデータを迅速に収集・接続・統合することができる。

収集されるデータの種類には、マシン情報、プロセスデータ、アラーム履歴、実行停止情報、運用実績、品質管理結果などがある。

これまでは、機械や人が収集した工場の運用データのほとんどが、工場全体のシステムに接続されておらず、情報が限られ、不足していた。

Takayama氏はFoodNavigator-Asia誌の取材に対し、「通常の品質管理で不良品を発見した場合、原因究明や倉庫内の不良品の範囲を特定するためのトレーサビリティーの時間は、現行のシステムに比べて1/10以下になると試算しました」と語った。

収集された情報を使用して、機械効率、水使用量、エネルギー使用量、メンテナンスパフォーマンスなどのパフォーマンス指標を生成し、レポートすることで、品質を常に向上させることができる。

また、商品に関する消費者からの問い合わせにも迅速に対応出来る。

この新しいIoTシステムによって、時間の節約や品質の向上だけでなく、リモートワークも可能になる。