日本の食品ロス:政府は消費者に「棚の手前から買う」ことを呼びかけているが、製造業が最も多くのロスを出していることが明らかに。

_1.jpg

日本政府は、過去最低の600万トンという数字を発表し、日本の食品製造業が食品ロスの最大の原因であることを強調する一方で、消費者には「棚の手前から」商品を購入するよう呼びかけている。

全国レベルでの食料ロスに関する政府の最新報告では、日本は2018年度 (2018年4月から2019年3月まで) に、2年間の集計・分析データから600万トンのロスを報告しており、前年度 (2017年度) から12万トンの削減と2%の改善は見られている。

この報告書は農林水産省 (MAFF) が今年初めに発表したもので、卸売業者、小売業者、フードサービスなど食品関連産業の中で、食品製造業が食品ロスの最大原因であることを強調している。

ここで農林水産省が定義する食品ロスとは、 「もともと食べられていたはずのものが、そのまま捨てられてしまったもの」 である。

「事業系食品ロス量 (324万トン) は、家庭系食品ロス量 (276万トン) よりも多く、さらに、家庭からの食品ロスは、3% (8万トン) 減少しているのに対し、事業では1% (4万トン) であった」と農林水産省は報告書で述べている。

「全体として、日本人一人当たりの食料ロスは年間約48 kgと推定されています。これは1人が毎日1杯のご飯を捨てているのとほぼ同じです。」

「企業の中では、食品製造業の食品ロス量が126万トンと最も多く、これは外食産業の116万トンよりも10万トン多く、食品小売業(66万トン)や食品卸売業(16万トン)を大きく上回っています。」

「食品製造業の場合、食品ロスが121万トンだった前年に比べて50万トン増加しています。政府は2030年の目標として、企業における食品ロスを最大で273万トンまで削減することを掲げていますが、これは2000年の半分の量に相当し、憂慮すべき問題です。」

これに関連して、農林水産省は、事業系食品ロスを削減する努力を支援することを目的とした一連の文書を公表し、食品ロスに寄与する慣行の撤廃など、食品ビジネスにおいて実施されるべき変化を求めている。

農林水産省は、「日本の業務用食品ロスの主な原因には、いわゆる『1/3ルール』のような商習慣や慣行、消費者の過度な鮮度志向などがある」 と説明している。

「食品ロスを減らすためには、製造側と流通側の連携、消費者教育・理解の促進など、フードチェーン全体の変革に向けた取組が必要となる。」

日本の『1/3ルール』とは、食品メーカーから小売店への納品は賞味期限の最初の3分の1以内、販売は3分の2以内に限定しなければならないという商習慣のことである。

棚の奥から買わないように

また、日本の消費者は鮮度へのこだわりを捨て、スーパーマーケットやコンビニエンスストアなどの小売店で陳列されている通路の 「手前から」 食品を購入するよう求められている。

また、日本では2030年の削減目標を達成するために、市町村毎の食品ロスを減らすことを目的とした「食品リサイクル法」が2019年に施行されている。