この新ガイドラインは、国土交通省が経済産業省、農林水産省、厚生労働省、国税庁と共同で作成した68ページの報告書として発表された。
「調査の結果、2018年以降、加工食品や飲料などいくつかの分野で、荷待ち時間が特に長かったことが判明しました」と国交省は報告書を通じて述べている。
「さらに、2020年以降の飲料・酒類は待ち時間が長く、加工食品と似たような構造になっていることが判明したため、3つの分野を改善するための解決策を模索することになりました。」
トラックや他の車両の待ち時間を短縮する事は、適切な保管施設に到着するまでに製品を長期間放置すると、温度や天候の変化などの要因により、製品がより危険にさらされるため、食品の安全性にとって重要な要素と考えられた。
「業界の主な問題の1つは、検査が現在最適化されていないことです。というのは、提示されたリードタイムが短すぎることが多いため、事前出荷通知 (ASN) 情報が前もって準備されていないことが多いからです」とMLTIは述べている。
「その結果、到着時点でデジタル化された情報が存在しないことが多く、配送とドキュメントの検査は手動で行う必要があるため、検査時間と待機時間が長くなります。」
ASNは、一般的に荷送人から荷送人の施設を出荷する前に荷受人に送信される電子データ・メッセージで、コードまたはラベルをスキャンすることで荷受者が権利によって取得できる、出荷の内容に関する完全な情報が含まれている。
報告書では、デジタル化の進展に加えて、食品会社が共同輸送や共有車両使用システムを導入するためのガイドラインも示された。
「現在、デッドヘッド・ジャーニー(荷物のないトラック便)がメーカーの問題(経済的負担)となっているが、これを減らして帰りの荷物を確保する方法の一つとして、製品の特性、タイミング、取り扱い条件などを考慮して、異なる製造会社をマッチングさせることが考えられる」と同省は述べている。
「効率を向上させるには、相互協力とデータの共有が重要です。アサヒビールと卸売事業者 伊藤忠食品のとのケーススタディでは、すでに良い結果が出ています。各企業が同じ地域に製品を配送するには、通常、合計4回の輸送を手配する必要がありますが、空いている車両を相互に利用することで、50%削減(2回の配送)が出来ました。」
流通波動
同報告書はまた、 「流通に於ける波道」 と呼ばれる現象が物流の問題を増大させていることを強調し、食品会社が午前中に製品を強制的に配達するなどの慣例に固執するのをやめるよう求めた。
課題と不確実な未来
これらのガイドラインは当面は重要だが、日本では人口動態の問題から、物流システム全体を大きく変える必要があることが強調されている。データによると、トラック運送業のドライバーの多くは45歳から59歳で、これらの仕事に新たななり手が現れないことも明らかになっている。