日本の輸入ガイダンス:新たな安全戦略では加工食品の汚染が重要視される

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日本は、抗生物質、添加物、病原菌などに汚染された外国産食品の輸入を防止するため、新たな食品輸入指導戦略の中で、畜産、水産、農産由来の加工食品に重点を置いた取り組みを行っている。

日本政府は、2021年度版の 「輸入食品モニタリング指導計画」 において、海外からの輸入食品の検査・モニタリングを強化している。この計画は、先頃、厚生労働省 (MHLW) により公表された。

今年は、畜産、水産、農産由来すべての加工食品に対し、特に力を入れており、10万件の検査強化対象のうち50,550件以上 (半分以上) がこれらのカテゴリーに特化して実施される予定である。

「この戦略は、日本への輸入食品の安全性を高めるために、輸入食品の監視・検査をより集中的、効率的、効果的に実施し、日本の食糧供給の安全性を高めることを目的としている」と厚生労働省は公式声明で述べている。

「そのため、今年のモニタリング計画に基づく厳格な輸入食品検査は10万件に引き上げた。そのうちの (加工食品が最も注目される) 20,950件は農産、18,800件は水産、10,800件は畜産となる。」

「これは、日本はまだ食料の大部分を輸入しているため必要なものであり、農林水産省 (MAFF) のデータによると、日本の食料自給率 (エネルギー供給量ベースの食料自給率) は約40%となっている。」

「日本の食料供給の約60%が外国に依存していることを意味し、そのため輸入食品の安全性を確保することが重要となる。」

日本向けに食品を製造・加工する食品メーカーも、特に日本の食品サプライチェーンがより複雑になることが予想されるため、今後、違反に対する許容度が低くなることから、輸出前に食品の検査を行うことに細心の注意を払うよう勧告されている。

厚生労働省は「世界的な経済連携協定の進展により、今後も輸入食品の増加が見込まれる」と述べている。

「これにより、グローバル化と拡大によって、食品の供給と輸入チェーンがより複雑になることが予想され、食品安全違反者への対応をより厳しくする事とした。」

「輸出国での製造段階から輸入後の国内流通までの各段階で、すべての食品輸入に対して適切な食品安全対策がとられることなる。」

「これらの措置に違反した場合は、まず本省から厳重な警告を受け、検疫所は輸入者に廃棄、積戻し、食用外用途への転用の対象とすべきかどうか指示をする。

違反が繰り返されると、輸入業者の日本での営業が全面的に禁止される可能性がある。」

特定懸念事項

特定の汚染の懸念に関して、厚生労働省は、細菌汚染物質、農薬及び抗生物質を重点分野として挙げている。

「畜産加工食品や水産加工食品では、病原性微生物が検出出来ないと食中毒の発生につながる可能性があるため、当然のことながら最重要課題となる。」

 そのため、「食中毒などの健康被害が予想される項目、特に国内外で検出されたアフラトキシンや病原性微生物に焦点を当ててゆく」 と述べている。

「農産物を原料とする加工食品では、農薬が重点課題で、検査の3分の1を占める。

すべての加工食品は、過剰な保存料、着色料、甘味料、酸化防止剤などについても慎重に検査を行う。」

また、加工食品の日本への輸入に際しては、カビ毒、遺伝子組換え、放射線照射などが優先検査項目として挙げられた。