2019年にデンマークで初めて発売をした、このイタリア企業の製品は、砂糖をふんだんに使ったアイスポップに代わる健康的な商品として注目されている、天然のフルーツピューレを凍らせた製品で知られている。
フローズンフルーツスナックでありながら、常温(アンビエント)商品として販売されている。「消費者が家に持ち帰り、フリーザーに入れることを想定しています」と、Frutteto社のマネージング・ディレクター、Greig Gilbert氏は語る。
「私たちがこのような形を取ったのは、製品を輸出したいと思ったからであり、また、持続可能性のためでもあります」とFoodNavigator-Asia誌に語った。
Frutteto社は現在、イタリアで製造された5種類の製品を、ヨーロッパ、韓国、日本で販売している。
「常温の製品をドライコンテナで日本や韓国に送る方が、工場から消費者までのコールドチェーン全体を冷凍コンテナで送るよりも環境への負荷が少ない。」また、これによりサプライチェーンコストも削減できる。
日本市場
2019年のフルッテートの販売個数は20万、2020年には150万と650%の急増を果たした。
今年は、最大市場である日本での需要が増加していることに加え、中国などの新しい市場が加わったことから、450万個の販売を目指している。
2020年に韓国と日本に進出して以来、製品の受けが好調に推移している。今では日本が全体の売上の40%、韓国が10%を占めている。
そのため、Frutteto社は需要に合わせて日本での製造を開始している。
「イタリアの工場では対応しきれないほどの需要があったため、日本の代理店と緊密に連携し、製品の一部を日本で製造することにしました。処方はイタリアで行い、最終的な充填や包装は日本で行います」とGilbert氏。
Gilbert氏は、日本での成功はブランド戦略によるものだと考えている。
日本では、まずフルッテートをプレミアム商品として、高級スーパーやデパートで販売した。
「これによりブランドの認知度が高まり、スーパーに進出した際には、消費者は既に高級店で認知しており、フルッテートを買い物かごに入れてくれるようになったのです。」
現在、同社はセブンイレブンやファミリーマートのようなコンビニエンスストアへの参入を目指しているが、Gilbert氏はこれにはアプローチの変更が必要だと述べている。
「5個入りのマルチパックではなく、1個単位での販売を予定していますが、小売店で販売している常温商品とは異なり、すでに冷凍されていて、すぐに食べられる状態でなければなりません。」
「フリーザーを購入してコンビニエンスストアに卸すような力はないので、かなり難しいです」。
Frutteto社は、ブランドを成長させるというビジョンを活性化させるために、投資家を募集している。
同社のフローズンフルーツスナックは、様々なフルーツピューレと糖(パイナップル由来)から作られており、添加物や保存料、水は一切使用していない。
ラズベリーやストロベリーはイタリア産、パッションフルーツはブラジル産、マンゴーはベネズエラ産など、世界各国のフルーツピューレを調達している。
マンゴーは例外で、ベネズエラに自社農園を所有している。
製品パイプライン
Frutteto社は現在、アルコール、プロテイン、スムージー、ヨーグルト、ジャム、キッズのバリエーションに及ぶ製品を開発している。
今年発売予定の商品としては、プロテイン入りの「フルッテート」がある。
「ジムに通っている人は、運動後にプロテインパウダーを水や牛乳で割って飲むのが一般的です。そこで、便利なフルーツスナック製品で代替品を提供したいと考え、各スナックに最低10 gのタンパク質を入れるよう考えています」 とGilbert氏。
また、研究開発中のもうひとつのアイデアは、ジンとジュースを組み合わせた製品で、日本、中国、韓国などのアルコール飲料市場をターゲットにできるとギルバートは述べている。
しかし、アルコールバージョンをフルッテートブランドで販売するかどうかは未定である。「弊社は子供向けの製品も作っているので、ブランドとして対応しなければならない問題です。」