カロリー計算をより明確に:日本は加工食品の炭水化物の質を反映した栄養表示ルールを改定

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日本は、加工食品に含まれる炭水化物の質と量の両方を反映し、また1食あたりの消費カロリーの計算をよりよく反映するように栄養成分表示ルールを改訂した。

今回の改訂は、文部科学省が8回目の改訂を行った「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」によるもので、加工食品会社が製品の栄養表示に使用する。

2020年4月から、新しい表示制度の下で、加工食品に表示することが義務付けられた。

文部科学省が行った主な変更点の一つは、食品の成分に含まれる炭水化物の組成をきめ細かく示すことで、食品のラベルに特定の組成の 「炭水化物」 しか含まれていないと記載する代わりに、「単糖類」(単純糖)、「食物繊維」、「糖アルコール」などのサブカテゴリーに分けて表示することとなった点である。

「糖質とエネルギー(カロリー)に基づいた食事管理をサポートするために、炭水化物をデンプンや単糖/二糖類(カロリーへの貢献度が高い)などの利用可能な炭水化物と、食物繊維や糖アルコール(カロリーへの貢献度が低い)のような他のカテゴリに分けている」 と、公式文書で同省は述べている。

でんぷん、単糖類、二糖類は、腸内で消化性の高い単純な糖類であるため、カロリーに多く寄与する傾向があるが、食物繊維や糖アルコールのような炭水化物は消化性が悪いため、カロリーの生成量が少なくなる。

文部科学省は「実際の糖質摂取量やエネルギー(カロリー)摂取量を正しく把握するためには、食品ごとの糖質の種類の内訳を示すことが重要だ」としている。

「これに伴い、2020年版の標準成分表のエネルギー(カロリー)計算についても変更を行い、エネルギー(カロリー)産生成分の実態をより正確に反映させることとした。」

例えば、以前の版では、カロリー換算の最終的な値を得るためにタンパク質や脂肪などの他の成分を除去するだけで「炭水化物」を計算していたが、新しい方法では、上記のように「利用可能な炭水化物」または「食物繊維/糖アルコール」のいずれかでエネルギー換算ベースを分けることとなった。

これは、栄養成分表により、消費者が今、購入しようとする食品中の炭水化物含有量のどれだけが砂糖とカロリー - 健康的な食生活を追求するならば避けたいと思われがちなアイテムに寄与しているのかをより明確に把握できるようになった点で、重要である。

低カロリー、低塩分などの栄養表示、機能性表示を行う全ての食品は基準表の数値や計算方法に従う必要があるため、企業にとっては、これらの表示に必要な数値を達成することがやや困難になる可能性がある。

例えば、厚生労働省によると、低カロリーを謳うためには、食品は100gあたり40kcal(食品)、100mlあたり20kcal(液体)を超えてはならないとされているが、そのためには、すべての飲料食品製品が新計算基準でもこの条件を満たす必要がある。

成分内訳

また、文部科学省は、アミノ酸、脂肪酸及び炭水化物の組成表のエネルギー計算に使用する成分表に含まれる食品成分(または「エネルギー産生成分)の数を大幅に増やした。