教訓を得る:コロナウイルスの第二次非常事態が発生する中、日本の食品・飲料メーカーは製造、研究開発、安全性を優先させる

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アサヒ、味の素、キリン、ホテイフーズ、ニップンは、コロナ禍の影響で一部の県が再び非常事態に陥る中で、製造、研究開発、従業員の安全をいかに維持しているかを明確に示した。

日本政府は1月8日、コロナウイルスの感染者が1日5,000人に急増し、パンデミック開始以来最高レベルとなったため、首都東京に先ず非常事態宣言を出した。その後、神奈川県、千葉県、埼玉県にも拡大された。

キリングループでは、食品・飲料・医薬品の供給に努め、生産・物流業務は従来どおり行っている。

キリンホールディングス広報担当の髙島 与佳さんは「キリングループは、今後も法規制や方針を遵守しながら、生産・供給責任を果たしていきます」と話す。

ニップンでは、食品製品の安定供給を維持しており、生産に減速の兆しは見られない。

ホテイフーズのTakuma Mizuno商品企画セクションチーフは、「今回の体制下で、原材料の供給、製造、出荷に影響はない」 と語っている。

従業員の安全

アサヒでは、2020年7月から生産に携わらない社員の在宅勤務を奨励している。

政府の指針に基づいて、ニップンとキリンは在宅勤務や時差通勤などの柔軟な勤務形態を実施している。

高島さんは、「キリングループの日々の事業活動を支える社員とその家族、ステークホルダーの方々の生命と健康を最優先に考えます」と話す。

味の素のDaisuke Nakamiyaグローバルコミュニケーション担当シニアマネージャーは、昨年の教訓である柔軟な対応にシフトしたことが、今年のシームレスな移行を可能にしたと語る。

昨年の第一次非常事態時と一年を通して経験したことを各社に聞いてみた。

各社は、この期間にオントレードやフードサービスの売り上げが大きく落ち込んだが、小売製品の売り上げは幾らか増加したことで一致した。今年もこの傾向が続くと予想している。

さらに、ホテイフーズは、スーパーマーケットへの来店頻度は減少したが、大量購入の傾向がより高くなっていると述べた。

Mizuno 氏によると缶詰の売り上げは2020年に急増し、「家庭用冷蔵庫は容量が限られているため、常温で長期保存が可能な製品の需要が高まっています。」

味の素のNakamiya氏は、家庭用調味料や加工食品、冷凍食品、コーヒーなどの飲料の需要が昨年大幅に増加したと述べた。

継続するR&D

こうした消費者ニーズの変化に伴い、多くの企業が研究開発に注力し、さまざまなニーズに対応する製品の開発に取り組んでいる。

アサヒは、家庭消費に対応するため、主力ブランドであるアサヒスーパードライの強化に引き続き取り組んでいる。そしてレストランで提供される生ビールのような味わいを想定した新拡張商品「アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶」を発売する。

キリンは今年も健康ニーズに着目し、糖質やカロリーの賢明な摂取を促進する商品を開発してゆく。

ニップンは、機能性素材だけでなく、栄養価が高く、おいしい食品の開発に向けた研究開発を継続している。