CRUSTは、シンガポールのベーカリーやeコマースプラットフォームから集めた余ったパンを使ってビールを製造していることで知られており、食品廃棄物の削減と持続可能性の向上を目指している。
大麦や麦芽などビール製造に使用する穀物を、アルコールに変換するための糖分を含むパンでしっかりと代用している。
CRUSTグループの創業者でCEOのTravin Singh氏によると、「パンとビールは常に私たちの主力商品ですが、私たちは同じビジョンを持って、果物の皮や見た目の悪い果物に焦点を当てて、食品廃棄物をアップサイクルする第2の飲料ラインを作りました。」
Travin氏はFoodNavigator-Asia誌に、「COVID-19時代、私たちはフードテクノロジー企業に転身しました。それは、私たちがブランドとして、パンやビールだけでなくもっと多くのことができると感じたからです」と語った。
CROPと名付けられたこのノンアルコール飲料ラインで、食品廃棄物をリサイクルするだけでなく、より健康的な飲料の選択肢も提供したいと考えている。
CROPシリーズの最初の製品は、フルーツの皮が入ったスパークリングウォーター。
オレンジ、レモン、レモンライムの皮を使っている。
Travin氏によると、同社はこれらの製品の概念実証を行っているが、現在、これに関する消費者のフィードバックを収集しているという。
シンガポールのジュース自販機から果物の皮を回収する廃棄物管理会社と連携している。
「シンガポールでは年内の発売を希望しているが、果皮の供給によります。」
ジャパン プラン
また、12月には初の海外市場である日本に進出し、余剰米やパンを原料としたビールを製造・販売したいと考えている。
「市場調査を行ったところ、日本ではパンと米の廃棄が非常に多いことが解りました。」
「シンガポールでこの製品のテストバッチを行いました。」
生産のために醸造所のパートナーと協力しており、現在、ベーカリーやスーパーなどと原料調達のための調整を行っている。
日本のビールシ市場はアサヒ、サッポロ、キリンなどのビッグネームが席巻しているが、Travin氏にとって妨げとはならない。「私たち(CRUST)は醸造会社ではなく、フードテック企業です。」
CRUSTでは、まずビールで日本に進出してブランドを構築し、その後、CROPの未発売品を含めた商品を投入していきたいと考えている。
Travin氏によると、提携している醸造会社は、レストランやバーに独自の販路を持っているので、日本での販路はまだ決まっていないが、CRUSTは、提携先を増やすにつれて、販路を増やしたいと考えているという。
2021年初頭のタイを皮切りに、来年はさらに三つのアジア市場に参入する計画である。