日本のリテールレポート:大半のスーパーマーケットが加工食品・惣菜の品揃え拡大を計画

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最近の調査によると、日本のスーパーマーケットの約半数が加工食品や調理済み食品の品揃えを増やす計画があり、次いで生鮮果物や野菜、肉類の順となっている。

先月、一般社団法人全国スーパーマーケット協会(NSAJ)は、会員を対象に実施したアンケート調査をもとに、「2020年スーパーマーケット年次統計調査報告書」を発表した。NSAJは、紀伊国屋、明治屋、イトーヨーカドーなど全国から200社を超える会員で構成されている。

報告書によると、調査に参加したスーパーマーケットの大多数は、今後は食品の品揃えを増やし、非食品を減らすことを選択、加工食品や調理済み食品がこの決定をけん引することになる。

調査参加者の50.6%が「今後SKU数を増やす」と回答したのは加工食品・惣菜が50.6%で、次いで青果物が36.2%、肉・肉製品が35.4%、魚介類・水産物が35.1%となっている。

参加スーパーの今年の加工・惣菜の伸び率は23.2%と最も高く、次いで肉・肉製品が13.3%、魚介類・水産物が14.5%、青果物が12.5%となっている。

これとは対照的に、参加者の20%が今後、非食品のSKU数を「減らす」と回答している。

日本では家庭での調理トレンドが本格化しており、生鮮食品の販売も引き続き好調に推移するものと予想されている。NSAJは、市場のパフォーマンスを推定するための経済パフォーマンス指標である普及指数(DI)に基づいて算出された青果物部門の業績は引き続き好調に推移すると予想している。

肉・肉製品部門の DI は 12.7 となり、これも好調と思われる。ステーキや焼肉などの高級品は週末の動きが早く、寒くなってきたことで鍋物の人気が高まり、リブや鶏肉が増加している。

魚介類でも同様の傾向が見られ、特にマグロやサーモンなどの刺身は市場価格の下落により消費者を惹きつけやすいため、好調である。秋の代表的な味覚であるサンマの供給不足が影響し、DI は 7.1 と中程度と低かったが、一部のスーパーでは秋鮭やブリ、ハマチなどの他の選択肢で売上を確保しようとしている。

スーパーマーケット精算計画

また、日本のスーパーマーケットの大半(64%)が、消費者がより簡単に精算できるように、店内にセルフレジを設置しており、多くのスーパーマーケットが近い将来に設置または追加を予定していることも注目されている。

「大手スーパー(50店舗以上)の88.2%がすでにセルフレジを設置しており、中小(1~3店舗)の47.4%にも設置されている」と同協会。

また、多くの企業が今後の取引方法としてQRコード決済の導入を検討している。日本は現金主義社会であり、デロイトジャパンによれば、取引の約8割が現金で行われており、QRコード決済は基本的にまだ初期段階にある。