今年就任したばかりの野上 浩太郎農林水産大臣は先日の記者会見で、一時的に「輸出・国際局」と呼ばれる新局を発表した。
来年4月の省内再編計画の一環として設置される予定で、国際業務と食品輸出関連の両部門を統合する。
和牛は海外市場で人気もあり、重要な農産物とされている。共同通信によると、国内の牛肉生産を盛り上げるため、畜産部を畜産局に昇格させるという。
2018年の和牛輸出額は247億円で、8年前の2010年の34億円から6倍以上に急増している。これは、中国、香港、韓国、米国などの各市場における人気の高さが背景にある。
国内には300をこえる和牛のブランド名があり、常陸牛ブランドを推進する「茨城県常陸牛振興協会」をはじめ、海外への普及を目的としたさまざまな団体が設立されている。
協会輸出促進スタッフのYoshio Shirota氏によると、和牛は海外では特定の種類の牛肉として間違われることが多いが、Japanese beefと「Wagyu」という言葉は同じであり、協会が是正しようとしている概念である。
「和牛は文字通り「日本牛」の用語です。オーストラリアや米国などの他の国でもそこで生産した牛肉にこの用語を使い始めていますが、日本の牛肉ではないので、血統があっても100% 和牛ではありません。日本産の牛肉だけが本物の和牛です」とShirota氏はFoodNavigator-Asia誌に語った。
日本からシンガポールのような国への和牛輸出の可能性は、和牛に関しては現地の人々が本物を求めており、ローカライズされたものを求めていないという事実によって高まっていると付け加えた。
「シンガポールの消費者の中には、日本で本物の和牛の味と知識を身につけた教育水準の高い人が多くいらっしゃいます。だから、帰国しても上質な牛肉を知っていて、需要があるんです。」
「彼らが求めているのはローカライズされた味ではなく、本物の日本食であり、日本でしか提供できないものです。」
和牛に加えて、野上大臣は米の輸出拡大が日本の重点分野であることを強調した。
「米の国内需要は減少しているが、海外の日本食市場は拡大している。海外需要を取り込む米輸出の拡大は、水田のフル活用と生産基盤の維持に極めて重要である。」
「パックご飯や米加工品の市場拡大、中国などへの輸出規制の緩和にも取り組む必要がある。」
輸出のさらなる成長
確かに、海外での日本食の人気は、先月就任した菅義偉首相が国の成長のための主要な戦略として輸出に目を向けるようになった理由でもある。
日本経済新聞によると、食品輸出に力を入れ、輸出先の規制緩和や現地の食品加工施設の整備などを通じて「農産物輸出立国」を目指すよう農水省に指示したのが菅首相だという。
政府は、2019年の9121億円(864万米ドル)から2030年までに農産物輸出全体で5兆円(470億米ドル)に引き上げることを目標としている。