Covid-19による乳製品の混乱:日本企業は余剰牛乳に対処する新しい方法を模索する

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世界的な大流行となっている 「コビッド19」 は、各国の多くの酪農家にかつてないほどの余剰牛乳問題をもたらし、学校や外食店からの需要が低迷する日本も例外ではない。

農林水産省によると、学校や企業 (レストラン、カフェ) の3月の牛乳需要は、前年同月比でそれぞれ86.2%、10.7%減少した。日本の学校では、給食に牛乳を出すのが一般的となっている。

4月、日本は「コビッド19」 のまん延を阻止するため全国的な非常事態を宣言、人々に自宅待機を促し、レストランや学校を閉鎖したが、結果的に酪農家の牛乳がさらに余ってしまう事となった。

栃木県にある森林ノ牧場は、パンデミック前に比べ乳販売量が30%減少した。 小規模牧場として、約30頭のジャージー牛を飼育、年間の搾乳量は100〜150トン。

牛乳は通常、牧場のオンラインストアまたは直販によって販売され、近くのレストランや道の駅店舗に若干量を卸している。

農林水産大臣の江藤拓氏は地元のメディアに、乳牛の分娩期のため、春には乳生産量が増加する傾向にあり、健康を維持するために搾乳する必要があるので、乳業の需給調整は難しいと語った。

全国的に牛乳の需要が減ったため、森林ノ牧場では、余剰の新鮮な牛乳を用いて、チーズやヨーグルトなどの乳製品を作ることにした。 しかし、これらの製品でさえほとんど売れていないという。

この牧場は、農業研究に携わる日本の会社、ドットサイエンス(株)と提携している。

最高技術責任者のRyusuke Kimura氏は、FoodNavigator-Asia誌に、プロジェクトを立ち上げ、森林ノ牧場の乳製品販売をサポートするオンラインサイトを立ち上げたと語った。

消費者は、5Lの低温殺菌牛乳を4,000円で購入でき、冷蔵条件下での保存期間は8日間。 購入できる他の製品にはチーズがあり、牧場で3〜5か月間熟成して、9月と11月発送の事前注文を受けている。

このプロジェクトでは家庭での消費増加を期待して、牛乳を使ったレシピも推進している。

また、ドットサイエンスは宮城県に施設がある村上農園とも協力していると付け加えた。

モーブ アロング

一方、業界最大手の森永乳業は保存期間の長いバターや脱脂粉乳の生産を増やしている。

農水省によると、3月の脱脂粉乳の生産量は前年から14%以上増加した。

同省は4月に 「プラスワン」 キャンペーンを開始し、各家庭に牛乳、ヨーグルト、チーズなどの乳製品を買い物の際、もう1品購入するよう呼び掛けた。

YouTubeの動画で、このキャンペーンは人々に毎日もう1杯牛乳を飲むよう呼びかけている。

日本の再開が始まれば、Kimura氏は乳製品の需要がいずれ回復すると期待している。

アメリカでは、酪農家が8%もの牛乳を廃棄しており、トランプ大統領はこれらの酪農家への29億米ドルの救済策を発表した。

英国では、農村地域支出庁によって、適格酪農家に一時金を支給するため酪農対応基金2020が設立された。