佐伯区にある10万平方メートルの工場は、カルビーの日本最大の工場となる。 建設の第1期は2023年4月に開始される予定で、工場は2024年4月までに稼働する予定。
ポテトチップスを生産する既存の広島西工場は、2024年に閉鎖され、新しい施設に移転される。この工場は1986年に操業を開始し、従業員数は200人。
2006年に操業を開始したエンドウ豆スナックなどを製造する広島工場も2037年以降は閉鎖され、第2期工事に組み込まれる。従業員は約200名となっている。
カルビーの広報担当マネージャーであるSatoshi Yoshida氏は、新工場では、ポテトチップス、スナック、および従来のスナックとシリアル製品以外の新製品も製造すると語った。
設備の自働化により生産効率の向上と、環境負荷の低減を図る。
カルビーによると、これは生産年齢人口の減少に伴う労働力不足によるものだという。
同社は先月、広島県と新開発に関する協定を結んだ。総投資額は明らかにされていないが、Yoshida氏によると借地権への投資額は37億8000万円だったという。
中国での拡大
カルビーはまた、国内販売の減少を背景に、中国での事業拡大を目指している。
これはカルビーの中期経営計画の一環で、中国、北米、英国、インドネシアなどの海外市場を成長の牽引役と位置づけている。
カルビーのシリアル 「フルグラ」 は、日本国内でのシリアル販売量の50%近くを占めているが、市場全体では2016年以降減少傾向にある。
Euromonitorによれば、2024年までに中国のシリアル市場は8.6%成長し、14億米ドルに達する見込みである。
中国のスナック市場は92億米ドル規模で、年率4%の成長が見込まれている。スナック市場では、中国が北米(230億ドル)に次いで世界2位となっている。
カルビーは、日本での成長が限られていることから、中国においてシリアル、フルグラやスナック、ジャガリコやジャガポックルの店頭販売の拡大に注力する。
また、中国の消費者の高いオンライン購入率を活用することで、eコマースにおける大きな可能性を見出そうとしている。
同社は現在、中国最大のeコマース企業Alibabaに越境ECの旗艦店を持っている。ここ数年、カルビーのフルグラはAlibabaのSingle's Dayのシリアル部門の販売イベントで1位となっている。
今後は、ソーシャルネットワーキングサービスで主要なオピニオンリーダーと協力し、ブランド認知度を高め、中国でのファンを増やしたいと考えている。
カルビーの2030年度目標は、国内売上高比率60%、海外売上高比率40%である。また、総売上高の20%をインスタント食品などの新しい食品領域に投入したい考えだ。
2020年3月期の決算では、売上高は2019年度比2.9%増の2560億円となったが、純利益は原材料・包装・物流コストの増加を理由に9.7%減の175億円となった。