ノーストレイン ノーゲイン:キリンは免疫とアンチエイジングの機能性食品の拡大を目指す

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キリンは、プラズマ乳酸菌を含む機能性食品ブランド「iMUSE」の新たな市場開拓を目指しており、他の菌株、KW乳酸菌株の開発も進めている。

シンガポールで開催されたHealthy Aging APAC Summitで講演した、同社の事業創造部藤原大輔博士は、免疫強化およびアンチエイジング製品を開発するためのこの新しい分野におけるキリンの研究を共有した。

「加齢とともに、私たちの体には筋肉の喪失、代謝の低下、皮膚の劣化、骨密度の低下、目の問題、感染症など別の問題が生じます。

人体におけるこれらの問題のほとんどは免疫に関連しており、 健康を維持するための最善の方法は、免疫力をコントロールすることです」と藤原氏は語った。

「キリンは、Plasma乳酸菌が免疫の ”コントロールタワー” を活性化し、感染や加齢に対する耐性を大幅に高めることができることを世界で初めて発見しました。従来型の乳酸菌では同じ結果を出すことはできなかったことも突き止めました。」

この研究は、2012年にPLoS One に掲載。

感染症

臨床試験では、岩手県雫石町の小学生にPlasma乳酸菌を含むヨーグルトを与えところ、この町の生徒のインフルエンザによる欠席率は他の近隣の町と比べかなり低かった。

この研究は2017年にHealth に掲載。

Plasma乳酸菌が免疫系を積極的に活性化させる結果から、キリンはデング熱ウイルス感染のような他の感染症に効くチャンスがあると確信している。

Plasma乳酸菌を経口投与されたマウスは、コントロールグループと比較して、体内のデング熱ウイルス濃度が低いことが判明した。

この研究は、2019年にInternational Journal of Molecular Medicineに掲載。

「この発見は、デング熱と闘うためPlasma乳酸菌を使用する可能性の大きなチャンスになるかもしれません。 世界的に見て、デング熱に感染した患者数は増えており、ワクチンはまだ開発されていません」と藤原氏。

老化

同氏によると、Plasma乳酸菌のもう一つの潜在的な用途は、アンチエイジング効果である。 マウスを使った研究では、Plasma乳酸菌を経口投与されたものはより良い抗老化外観を示した。

「同年齢のマウスでは、Plasma乳酸菌を投与されたマウスはコントロールグループほど毛皮を失うことはなかった。 コントロールグループでは、2年後に皮膚の外層が薄くなったが、Plasma乳酸菌のグループではそうなりませんでした。」

「外観とは別にPlasma乳酸菌は可動積極性にも影響を与えます。Plasma乳酸菌マウスは運動性に優れており、他群のマウスよりも寿命が長くなっています。」

この研究は2018年にInternational Immunopharmacologyに掲載。

「免疫は、高齢化や感染症などの世界的な社会的健康問題に対処するための戦略的アプローチの1つです。」

藤原氏によると、Plasma乳酸菌は死菌粉末の形で製品に添加されている。

「死菌粉末は、生きているバクテリアの形態と同じ活性があります。 このパウダーは耐熱性があり、味も匂いもしません。」

現在、製品は飲料、ヨーグルト、ソフトドリンク、グミ、サプリメントで構成されている。 コンビニ、スーパーマーケット、薬局、病院および自動販売機で購入可能。

同社はまた、他の市場、特に東南アジアや米国でもこの商品を発売することを考えている。

今年10月には、アイケアベネフィットがあると言われているLactobacillus KW株の製品を発売する予定である。