核への挑戦:被災地 福島の食糧輸出を押し上げた方法は - 独占インタビュー

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政府高官によると、日本の関係当局は2011年に原発事故で最も打撃を受けた地域で生産された食料品の販売促進のため、観光客と外国政府に対し二重戦略で取り組んでいる。

FoodNavigator-Asiaは先日、農林水産省 食糧産業局 輸出促進課長 横島 直彦氏に福島で生産された食料品の販売促進に関する省庁戦略の詳細について話しを伺った。 

重要な戦略の1つは同地域からの輸出品の安全性を証明するため、外国政府との定期的かつ持続的な関与である。

「海外市場については、福島県からの食品を含め、日本の食料供給がどれほど安全であるかを説明する必要があります。したがって、我々は外務省と良好な協力関係を築いており、 機会があれば、農林水産大臣は海外に赴き、福島県や日本の他の地域で栽培された果物のサンプルを提供します。」

輸入禁止が続いている国でさえ、認識を変える他の方法もあると付け加えた。

観光客を招待し、福島で生活体験と生産された食料を食べてもらうことは「外国の消費者の信頼を取り戻す上で非常に強力なプロモーションとなります」と述べた。

2017年度の福島県からの輸出額をみると、震災に襲われる前に記録された量より増えている。

福島県の内堀 雅雄知事の発表によると、2017年度には、福島県産の農産物210トンが輸出され、この量は2005年度以来最大となっている。

福島の人気商品の中には日本酒、桃、りんご、梨などがあると横島氏は語った。

国内感情

横島氏はまた、日本人も各被害を受けた地域からの製品を受け入れていると述べた。

消費者庁による最近のオンライン調査結果から、福島から食料を購入することに躊躇していた日本の首都圏の人々の割合は過去最低の12.5%であった。

これは昨年2月に実施された前回の調査と比較して0.2%の減少である。

ますます受け入れられるようになったのは、政府による食品の安全性を確保するための効果的な情報発信や構造整備によるものである。

「また、放射能汚染が発見された場合、食品衛生法に基づき、製品の回収と廃棄を義務付ける規制があります。より高い放射能レベルの地域があるならば、これら地域からの食物の流通に対する制限もあり、あるいは汚染された食物の供給は遮断されます。」

このような食物は、福島の近隣県からの野生の鹿やホワイトマシュルームであったことを明かしてくれた。

ラボ所見

原発事故以来、日本政府は福島の農産物の放射能レベルをモニターするために2種類の検査を行ってきた。

横島氏は、放射性物質の量は限界以下であることを強調した。

厚生労働省によると、2013年以降、収穫された農産物や水産物の値はコーデックスのガイドラインである1,000ベクレル/ kgを超えていない。 この検査は食品衛生法に基づき都道府県が実施した。

2012年以来、厚生労働省も半年ごとに市場調査を実施しており、年間の放射線量は年間最大1 mSvの0.1%にすぎないことがわかった。

その一方で、農林水産省は放射性物質が農作物に取り込まれないようにするための対策を農家に指導している。

例えば、汚染された果物から放射性物質が浸透するのを防ぐために、木の枝や葉を切り落とす、核内容物が農作物に吸収されるのを防ぐために土壌の表面を取り除くこと等を推奨してきた。