オールラウンダーの意欲:キリンはビール、機能性食品、そして医薬事業を つなぐ計画を発表

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ビール事業にルーツを持つキリンは、健康とウエルネスに重点を置き、食品、栄養、医薬品の各部門をより適切に連携させるための8年計画を開始した。

磯崎功典社長は、2月14日(木)に「キリングループビジョン2027」を発表した。

同社は、2027までに一般的なニーズへの対応から特別なニーズへの対応、予防医療、および治療に至るまで、複数のポートフォリオにわたって付加価値サービスを提供するグローバルなCSV(Creating Shared Value)リーダーを目指している。

同社は声明で次のように述べている。

「キリングループは、これまでに解決されなかった健康問題の解決策を提供するために、グループの医薬品および飲食分野における豊富な経験と資産を活用して、高機能原料の事業を拡大し、独自のビジネスモデルを確立します。

キリングループは、個別消費者の特定のニーズを満たすように調整された製品やサービスを提供し、最終的にそれらサービスをグループの別のコアに成長させる複数の新しい事業を開始します。」

利益の伸びは、さらなる機会を模索する既存のビジネスからもたらされる。

利益面では、2021年度までに10%増のROIC(利払前・税引後利益)と、その標準EPSのCAGR 5%を目標としている。

2018年12月の時点で、キリンは1兆9千300億円の売上収益を記録し、前年比3.6%の成長となった。

事業利益は、2017年比2.4%増の1,933億円となったが、親会社の所有者に帰属する当期純利益は前年同期比32.1%減となった。

今年は、3.6%増の2兆円の収益を達成することを目指している。

同社の最新の財務報告によると、物流コストの高騰に加え、中長期的な観点から成長基盤を強化することを目的とした先行投資により、連結事業利益は減少すると予想される。

ベースとしてのビール醸造所

事業計画の一環として、キリンは伝統のビール醸造および飲料事業から利益成長を推進させる。

醸造所事業は現在、キリンビール醸造所、ライオン、キリンビバレッジおよびミャンマービール醸造所を含む。

キリンビールにとって利益を伸ばすための計画の1つは、すぐに飲める(RTD)アルコール飲料の提供を拡大することである。

「消費税率の引き上げに伴い、アルコール飲料に対するますます多様化する消費者の嗜好から生じるアルコール飲料市場の変化に対応するために、RTD製品を拡大しようとしている」と同社は述べた。

昨年3月に発売された “本麒麟” は、売上高で128,000klを記録し、2番目に人気のある “のどごしスペシャルタイム” の4倍の売上高を記録した。

もう1つの計画は、日本のホップ生産を支援し、単一の小型ディスペンサーを使用して数種類のビールを提供するシステム、タップ・マルシェを飲食店に提供することだ。

ノンアルコール飲料については、午後の紅茶(紅茶)、生茶(緑茶)、ファイアー(コーヒー)などのコアブランドに売り込みを集中させ、ヘルスベネフィットを提供するシュガーフリー飲料を増やす。

海外事業

豪州ビール市場における成長カテゴリーで、自社ビール製品のブランド資産価値を高めることを目指すと同時に、クラフトコーヒーやkombuchaのプレミアムクラフト飲料事業を展開する。

主力ブランド「ミャンマービール」「アンダマン ゴールド」を中心に、市場でのプレゼンスを高め、同時に、ミャンマー全体での最適な生産・物流システムを構築し、ビール市場全体の拡大を上回る成長率の実現を目指す。

ビールや飲料事業の他、医薬品事業である協和発酵キリンから「抜群の成長」とグローバル展開を目指す。

これらの実現を可能にするため、組織構造を刷新することによってグローバルオペレーションを最適化して、グローバル市場のために新製品を開発する。