ここで、取り組みを行う企業の例とこれまでに達成された技術革新を見てみよう。
リサイクルPETボトル
その一例がサントリーで、今年5月15日にWorld Packaging Organizationが主催する授賞式で「FtoP Direct Recycle Technology」の「WorldStar賞」を受賞する予定。
この技術は、ペットボトルから再生ペットボトルを作り、CO2排出量を約25%削減できると推定されている。
昨年秋以降、リサイクルされたペットボトルはソフトドリンクペットボトルに使用された。
同社の説明は以下の通り。
「サントリー食品インターナショナル株式会社(SBF)は、日本の清涼飲料協会の清涼飲料事業プラスチック資源再生宣言2018を承認して、国内の清涼飲料事業における無駄のないペットボトルの100%有効利用を目的とした取り組みを強化しました。」
「SBFの最初の中期目標は、最新の技術を使用して、2025年までに国内清涼飲料事業の全ペットボトル入り清涼飲料製品の半分以上にリサイクルPETボトルを使用することです。」
昨年は、100%バイオベースのペットボトルの製造でも進歩を遂げた。 その技術パートナーであるAnellotechは、化石ベースの物と同一の再生可能な化学物質のコレクションを首尾よく生産できたと言っている。
競合他社のAsahi Beveragesも100%リサイクルPET(rPET)ウォーターボトルを生産しており、これは通常のPETボトルよりも50%少ないカーボンフットプリントを生産すると言われている。
紙包装
大手製紙会社である王子ホールディングスはまた、紙製食品容器の製造に資源を投入しており、今月中に生産が開始されると、Japan Newsは報じた。
酸素や液体が染み込むのを防ぎ、鮮度を保つために、紙は特殊な化学物質でコートされる。
「紙だけで、この製品は一般的なバリアフィルムと同じように水蒸気に対しても、蒸着フィルムと同じように酸素に対しても高度な保護を提供します」と同社は述べた。
日本製紙グループはまた、現在の食品包装紙や紙製の牛乳パックの他に、耐水性の紙ストローの製造にも力を入れている。 製紙業界は、プラスチックに代わる動きが新たな需要をもたらし、紙の需要減少を補うものと期待している。
昨年、同社は業務の効率化のために「ペーパーライジング」推進事務所を開設した。
生分解性プラスチック
製造コストは通常のプラスチックよりも高くなっているが、プラスチック製造業者も生分解性プラスチックに注目している。
たとえば、三菱化学は昨年10月に生分解性プラスチックカップの販売を開始し、現在、生分解性プラスチック製のストローを開発中である。
東洋紡は、米国のコングロマリットのデュポン社から生分解性樹脂の製造を依頼された。
政府の関与
政府はプラスチック代替品の開発支援を目指している。
環境省は、生分解性プラスチック製品の開発を委託するために、2019年度予算に約50億円を割り当てた。
この予算は、プラスチック製品に代わる紙の代替品を製造する企業に補助金を支給することを目的としている、と毎日新聞は報じた。
同省はまた、生分解性プラスチックから作られた食品容器のような日常的に使用される製品をより低コストで開発するように企業や研究機関に依頼する予定で、石油ベースのプラスチックを減らすことで、焼却する際の温室効果ガスの排出量を減らすことができると期待している。