業界では、2020年までに国際的に認められた危害要因分析重要管理点(HACCP)基準に従うことが要求されるため、これは難題をもたらす可能性がある。
厚生労働省は、2年前に食品産業のためのHACCPプログラム実施の義務化を発表した。
米国などのいくつかの国では、すでに特定の食品に対してHACCPの実施を義務付けている。
実施義務化の理由として、来たる東京オリンピックとパラリンピックのために日本の高水準の食品安全性を実証する必要があることが含まれる。
業界のニーズをサポートするために、HACCPインターナショナルは最近、東京に事務所を開設した。
FoodNavigator-Asiaは、日本でのHACCP認証の現状についてもっと知るべく、日本および韓国でオペレーションを統括するマネージングディレクターであるNigel Asai氏に話を聞いた。
「日本の食品製造業者は食品安全管理について高い理解を持っていますが、大きな問題は異なる方法と基準が使用されていることです」とAsai氏。
「(そして)日本人はHACCPの国際基準に精通していません。 国際規格の理解は非常に重要ですが、少し遅れています。」
同氏は、日本の製品が国際的に認知されるためには、重要な国際標準に従うことが必要であると考えている。これは、氏が製造業界に伝えたい重要なメッセージである。
「業界に訴えるために、私が話したい一つのことは、食品業界だけでなく他の業界においても国際標準化システムに従うことの重要性です。」
「私たちの責任は、業界のより多くの人々に考えを説明することです。」
日本のHACCPチームは、香港のHACCP International APACオフィスとシドニーのオーストラリア部によってサポートされている。
オーストラリアのHACCPインターナショナルディレクターであるClive Withinshaw氏は、次のように述べている、「私たちは日本に根を下ろすことに興奮しています。日本は高い水準と食品の安全性に対する優れた評判を持つ、世界で最も重要な食品市場の1つです。」
HACCP スタンダード
製造業者がHACCP規格に適応するために何をすべきかを尋ねると、Asai氏は業者が「どういうことで、使われる方法は何であるかについて理解する」ことが重要であると話した。
「彼らは方法を正確に知りません。その方法を知り、それに従うべきです。」
現在、住友商事などの食品加工会社はすでにHACCPが実施しているコースに参加している。
来年は20社、理想的には3年以内に100社に働きかける計画があり、氏曰く、「これはかなり妥当な線(ターゲット)です。」
主要な食品ブランドの1つである明治は、HACCPに加えて、2021年3月までにすべての国内食品工場に国際食品安全管理システムであるグローバル食品安全イニシアチブ(GFSI)を取得することを目指していると弊紙に話してくれた。
食品と接触する材料
日本はまた、食品接触材料(FCM)のポジティブリストシステムを2020年6月13日まで導入する予定がる。
一般に、FCM は、食品の製造、加工、貯蔵、調製および供給中に食品と接触する材料を指す。
現在、日本ではネガティブリスト方式が採用されている。 これは、材料がリストに記載されていない限り、食品接触材料として使用できることを意味する。
「他の多くの国々がポジティブリストを採用しているなか、日本ではFCMとして適格である材料の使用が許可されない状況が発生し、日本の食品安全に脅威を課すことになる。」 ChemlinkedのLynn Liang氏は、規制変更の背景にある論理的根拠について、「これは日本の新しいシステム開始の引き金となる」と語り、他にもいくつかの規制が改正される可能性があると付け加えた。
「今年の新しい規制については、日本はおそらく関連する実施命令と2018年食品衛生法改正の規則を公表し、 食品表示法の改正もおそらく今年発表されると思います。」