プラスチックパッケージの削減および管理
今年初めの中国によるプラスチック廃棄物の輸入禁止と持続可能性への消費者の意識の高まりにより、プラスチックパッケージの削減は、2019年に向けて、アジア太平洋の重要性を増しているトレンドとなっています。
多くの主な飲食品ブランドが、このトレンドに対応した目標を定め取り組みを行っています。ペプシコ社はそのうちの1つで、その2025目標「Performance with Purpose」によって、特に、すべてのパッケージをリサイクル可能または生分解性のものにすることに取り組んでいます。
APAC地域内では、インドで「史上初の堆肥可能なパッケージ」をスナック製品の一部の商品に使用する試験的な取り組みを公にしました。
「ペプシコ研究開発部によって開発された新しいパッケージは、生物を原料としており、植物由来の材料で作られているので100%堆肥にすることができます」とペプシコ社の農業部長(アジア、中東、北米)であるNishchint Bhatia氏は語っています。
「[これは、] これらのパッケージが通常の生ごみとして廃棄でき、産業堆肥化施設で分解できることを意味しています」
Bhatia氏は、ペプシコ社のLay’sおよびKurkureの人気商品が、ニューデリーのインディラ・ガンディー国際空港第3ターミナルにある販売コーナーで、環境に配慮したパッケージで試験的に販売されることを付け加えています。
また、コカ・コーラ社は、このトレンドに対応したグローバル目標を定めています。その「廃棄物ゼロ社会」の目標は、2030年までに、世界で販売する製品に使用されているボトルを100%回収し、すべてリサイクルすることを目指しています。
「当社のアジア太平洋の消費者は、地球環境を気遣っています。そのような消費者は、当社のような企業がリーダーとなり、ごみのない社会の実現に貢献することを期待しています」とコカ・コーラ代表取締役兼CEOであるJames Quincey氏は語っています。
飲料業界の巨人は、海洋プラスチックを処理する難しい課題に対処する鍵となる上位5か国がアジアの国であることが、来年のアジア地域におけるこの目標を非常に重要なものとしていることを付け加えています。
砂糖の削減および改質
砂糖および砂糖の削減は、APAC食品および飲料業界で今年最も取り上げられた話題の1つとなってきており、トレンドとして来年も継続されていく準備が整っています。特に、この地域で砂糖税に関する話が持ち上がっている国では特にそう言えます。
オーストラリアでは、飲料業界は全体として、2025年までに国内の砂糖を20%削減する公約への取り組みを発表しました。
「これは重要な公約です。飲料業界が重要な役割を果たすことへの意識の現れでもあります」と、AusBev社のCEOのGeoff Parkerは語っています。
「この業界は、オーストラリア人に微糖/無糖飲料の多くの選択肢を提供したり、異なるパックや容器サイズを提供することで、この国の人の砂糖摂取量を減らすための大きな動きも見せています。」
この公約は、現在のところ、コカ・コーラ社、ペプシコ社、アサヒ飲料といった、大規模飲料ブランドで構成されており、2019年にはより多くの企業が加わることが予想されています。
東南アジアでは、コカ・コーラ・シンガポールは、2020年までに、飲料の平均砂糖含有量を10%減らす公約を掲げて、砂糖削減キャンペーンに参加しています。
「この新しい公約は、当社の公約の最優先事項で、シンガポールの業界をリードする他の飲料メーカーと協力して、ここでの飲料の砂糖含有量を2020年までに12%以下にすることに取り組んでいます」と、コカ・コーラシンガポール、マレーシア、ベトナム、カンボジアおよびミャンマーのグループ統括部長であるTony Del Rosario氏は語っています。
この企業はまた、より多くの微糖/無糖飲料の提供、改質努力の向上およびより小さく便利なパッケージの提供などの取り組みを今後も続けていきます。
地元産の材料
地元産の材料を使用して製品を生産することは、もう1つの急速に台頭してきた飲食業界のトレンドで、持続可能性、地域の経済活性化の支援および他の多くの利点を目的としています。
ペプシコ社はこの分野で最先端を行っており、オーストラリア、インド、中国、パキスタン、タイ、ベトナムで、関連プログラムを施行しています。
「ペプシコは国際企業ではありますが、当社が事業を行う国のローカル企業のように運営されます。これは、地元の人材の雇用、地元の材料の調達、できる限り当社の食品や飲料を地元で製造することを意味しています」とBhatia氏は語っています。
「地元で材料を調達することで、地元の農家や地域の産業をサポートします。また、雇用機会を創出し、地域社会の暮らしを向上します。
「また、これは優れたビジネス感覚としての意味もあります。これは多くの場合費用対効果が高く、輸送に関係する環境的な影響を低減し、輸送時間を短縮することで原材料はより新鮮になります」
ペプシコ社が地元で調達する主な材料はジャガイモで、6か国すべてで、Lay'sポテトチップスおよび他のスナックに使用されます。
「インド、オーストラリア、パキスタンで製造されるスナックに使用されるジャガイモの100%は地元産です。タイおよびベトナムでは、この割合は70%になっています」とBhatia氏は付け加えています。
ペプシコ社は、すべての直接農業原材料を2020年までに持続的な調達することを目標にしています。間接的な主な農業原材料成分については2025年までに持続的に調達することを目標としています。
植物由来のプロテイン
より健康な食事および食品の持続可能性が強調されることで、APACでは、植物由来のプロテインの需要が増加してきています。
JUST社やImpossible Foods社を含む業界をリードする企業は、今年、アジアでの事業成長が加速することを期待していたと語っています。
Impossible Foods社では、植物原料の肉が、発売からわずか8か月以内に、香港とマカオの100店舗以上のレストランで提供されるようになったと、最高戦略責任者Nick Halla氏は述べています。
「アジア全体で、顧客や消費者から毎日問い合わせを受けています。これは、Impossibleの料理が美味しかったことと、動物食品システムの健康的な課題に対する意識が向上していることが考えられます」とHalla氏は語っています。
香港およびマカオで順調なスタートを切ったことで、今年、シンガポールでこの製品の発売を開始することを明らかにしました。
別の植物原料の製品を製造するJUST社も、今年、香港のGreen Commonアウトレットとシンガポールの食品サービスアウトレットで植物原料の卵の発売を開始しました。
250個の卵サンドイッチが30分で売り切れになり、当社の植物原料の卵Just Eggが今年11月1日からシンガポールのグランドハイアットホテルで販売されるようになりました。
今後も、JUST社は、今年第一四半期に中国のeコマースプラットフォームを介して製品を販売することで、中国市場に参入する予定です。
当社の卵に関する限り、アジア全体に拡大する予定で、製造パートナーとのインフラ整備を行い、より多くの消費者を獲得していく予定です。食品サービス、eコマース、オフラインとオンラインへと、販売経路を多様化していく予定です」とJUST社のCEO Josh Tetrick氏は語っています。
eコマースの拡大
中国は、世界で最もeコマースが進んだ市場です。
昨年のeコマース取引額は、人民元で29.16兆元(4.5兆米ドル)に達し、前年比で11.7%増加しました(中国商務部発表)。また、これは減速の兆候を見せていません。
中国のeコマース消費がどのように進展していくかを尋ねたところ、Mengniu社の広報担当者は、eコマースは「モビリティ、ソーシャルメディア、正確さ、および4級および5級都市への展開」に引き続き進んでいくと回答してくれました。
「オンラインショッピングは、その初期段階で単純な道を進んでいました。(消費者は)まず検索し、比較し、購入してから、レビューやフィードバックを残します」とこの広報担当者は語っています。
「それでも、現在のところ、コンタクトマーケティング、情報源、(小売)販売経路が急速に増大しています。新しい世代のオンライン顧客は、より複雑で、細分化され、絶え間なく変化するeコマース環境にいることを自覚するようになっています」
例えば、一部の中国企業は、eコマースウェブサイトを一歩進めて、特定の製品をWeChat専用で販売するようになっています。
Mengniu社も飲料のWahaha社も、この分野の先駆者となっています。
Mengniu社の広報担当者は、今年、意を決して、ソーシャルメディアeコマースに取り組むことを明らかにしました。
コラーゲンペプチドやファイバーシェイクミルクなどを含め、WeChatの販売経路を介して専門的に販売する製品を導入するということです。
「ソーシャルメディアのeコマースは、個人にとって非常に重要になってきています。(ソーシャルメディアプラットフォームで)タップするだけで、個人や商品にアクセスすることができ、これまでとはまったく異なる購入体験を消費者に提供することができます。
「Mengniuは、モバイルインターネットマーケティングの急速な成長によって起こったいくつかの機会と課題を特定してきました。当社は、マーケティングと製品サプライチェーンの両方を統合します。また、製品マーケティングに資する環境を構築していきます。これらの手法によって、独特なブランド文化と市場価値を確立していきます」と語っています。