台湾中央選挙管理委員会のウェブサイトによると、1976万人の有権者のうち779万人が禁止続行に投票した。
この票数は合法的に拘束力があることを確実にするために必要な投票率25%を上回り、合計39.4%を占めた。輸入再開に投票した人は223万人に留まった。
この投票は、野党の台湾国民党による強力な反核汚染食品キャンペーンの後、地方選挙と並行して今年初めに行われたが、政治的なもので科学的根拠はないと非難されていた。
これは、2011年の福島原発事故以降、日本の福島県、茨城県、栃木県、群馬県、千葉県産の食料品の輸入を規制し続けているのは中国以外では台湾のみであることを意味する。
台湾は今年の初めに規制の緩和を検討していたが、今や実現しそうにない。
事実上の駐台大使であり、公益財団法人日本台湾交流協会台北の沼田幹男は、早期からこの投票を批判していた人物の1人であり、この結果に失望したと述べている。
「日本産の食糧の輸入禁止を続行する投票の結果に非常に失望しています」彼は同協会のFacebookページでこう記している。
沼田氏は、この問題は「政治利用されるべきではない」と付け加え、「台湾と日本の間の良好な関係と経済貿易に影響が出ない」ことを期待した。
「協会では、台湾の友人たちに日本の食品の安全性を理解してもらえるよう引き続き努力します。また、毎年多くの台湾の方が訪れている福島県、茨城県、栃木県、群馬県、千葉県産の食品の輸入禁止が早期に解除されることを切に願います」
この意見を受け、菅義偉官房長官が声明を出した。
記者会見で、彼は次のように述べた。「台湾の消費者がまだ(日本の食品の安全性を)完全に信頼していないことは非常に残念だ。
日本国政府としては、この状況を改善するために利用可能なあらゆる機会を利用し、早期に禁止を解除するよう台湾に依頼する」
また、日本商工会議所は年次白書内で次のように禁輸を非難している。「(福島の原発事故以来)7年が経ち、日本の食品輸入品目は125,549品が検査を受けたが、高濃度の放射線は検出されていない。
(台湾)政府が(他国)に習い、この問題を迅速に調査することを期待する。
この問題が政治的な問題として扱われていることに非常に失望している」
日台経済貿易関係への影響
謝長廷 台北駐日経済文化代表処駐日代表は、今回の投票を台湾国民党が日台の関係に傷をつけるために仕組んだ「陰謀」とし、台湾は「大きなツケ」を払うことになると予測する。
この「大きなツケ」として具体的に挙がるのは、台湾の、環太平洋パートナーシップに関する包括的および先進的な協定(CPTPP)への加入への影響だ。
CPTPPは、現在11の加盟国からなる日本主導の貿易パートナーシップである。新たな加盟交渉は2019年に始まる。
また、台湾の経済と貿易に関する毎年の会議が、投票結果が出た直後に開催される。
Andrew Lee外交部報道官はTaipei Times紙の取材に対して、「政治的に敏感な」時期が迫っているとし、また、今後日本との協議を進め、「日本政府の理解」を得て、「友好関係が損なわれることはない」との見通しを語った。
台湾は日本にとって第4位の貿易相手国であり、相互貿易額は2017年には627億米ドルに達している。