酒粕の復活:日本企業が消化吸収を助ける微粉末化品生産を進める

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Farm8は、革新的な食品製造業会社として、酒粕を使用した飲料、菓子、調味料、お菓子を開発し、新しい楽しみ方を追求しています。

今春、幅広い種類の酒粕製品を日本で発売した同社は、海外への市場拡大を計画している。 

酒粕は、発酵米(もろみ)から酒を絞った後の残りかすのことである。古来からかす漬けの原料として使用されてきた。

酒粕に含まれるレジスタントプロテインの「プロラミン」は、消化器官の健康を助ける効果がある。

FoodNavigator-Asiaは、同社のフードアドバイザーであり、先月シンガポールで開催された「Food Japan」展の公認管理栄養士を務めた石橋てるみ氏にインタビューを行った。

「日本では、毎日50gの酒粕を摂取すると、消化器官を健康に保つと信じられています」とてるみ氏は述べた。

「しかし、若い世代にとっては、粕漬けづくりや味そのものにもなじみが薄く、酒粕の消費量は減少しています。消化器官の健康(発酵食品を摂取することによる)が長寿の秘訣だと考えられていますが近年、日本人の食事は欧米化が進み、発酵食品の消費量は減少傾向にあります。

「そこで当社では、さまざまな料理に使ってもらえるように、使いやすい形状の酒粕を作りたいと考えているのです」。

Farm8では、新潟県長岡市にある生産工場で特殊な機械を使い、酒粕粉末を生産しています。酒粕を特定の温度で風乾し後、粉末状にすり潰す方法を使っている。

粉末にした酒粕は、酒やお茶などの飲み物に加えたり、塩などの調味料と混ぜたり、麺生地に加えて使うことができる

てるみ氏は、国内市場における酒粕製品の成長は著しいと言う。消費者のほとんどは、30代~50代の女性である。

「消費者の大部分は女性です。便秘など、消化器官の悩みを抱えているのは女性の方が多いからです」。

今後、同社は東南アジア、韓国、中国の販売代理店との提携を検討している。

イノベーションラボ

2015年設立のFarm8は、他社や政府機関と提携し、新しいタイプの食品を開発するイノベーションラボの運営も行っている。

例えば、てるみ氏によると、新潟県からは地元産の酒粕の賞味期限を延ばす方法の開発について要請を受けているのだと言う。

賞味期限を延長するため、県の研究チームは乳酸菌を酒粕に加えたが、酒粕の酸味が強くなってしまった。

そこで、Farm8の研究開発チームが大根糖を加えて味を調整したところ、他の料理や食品にも酒粕を使用できるようになった。最終的に、乳製品を使わず、酒粕を使ったアイスクリームづくりに成功している。