ハラール寿司:SEAシーフードのビジネスチャンスを目指し、大栄フーズが布石を投じる

SEA.jpg

マレーシアにおけるハラールシーフード製品で成功を収めた大栄フーズは、ポートフォリオの拡大を狙っている。

昨年3月にハラール事業を開始したが、マレーシアイスラム開発局(JAKIM)からハラール認証を取得した食品は7品目になる

神奈川を拠点とする同社は、現在、完成したハラールシーフード製品をマレーシアの寿司チェーンであるSushi Kingに提供しており、今後さらなる展開を予定している。

FoodNavigator-Asiaは、シンガポールで開催された「Food Japan 2018」展で、大栄フーズの営業部執行役員である岡やすのり氏にインタビューを行った。

ハラール製品の開発に乗り出したのは、マレーシアの顧客からの依頼がきっかけだったと、岡氏は語る。

20年以上にわたりマレーシアでパートナー関係を築いてきたSushi Kingは、初のハラール寿司店を開きたいと希望していた。そこで、同社は、加工シーフード製品のハラール認定を申請してほしいと依頼を受けたのだ。

その後、大栄フーズは2年半の期間を費やし、マレーシア当局からトビッコ(味付けしたトビウオの卵)と中華イイダコの2品目についてハラール認証を取得した。

ハラール認証を取得した直後である昨年3月、Sushi Kingでこの2品目の販売を開始した。

岡氏によると、同社はその後、さらに5品目についてもハラール認証を取得し、今後販売していく予定だと言う。

「私たちは、ハラールビジネスを拡大したいと思っています。そのため、さらに5つの製品についてもハラール認定を申請しました」と彼は述べた。

また、マレーシアでは、Sushi Kingの他に、ハラール加工されたシーフードを約4つの配給業者に販売している。

同社は海外展開のために、シンガポール、インドネシア、中東のハラール市場に参入する意向だ。現在、すでにハラール以外の製品で進出している国である。

インドネシアへの進出については、マレーシアで事業を展開するマレーシア企業と協議中だ。

中東の計画については、アラブ首長国連邦とマレーシアのハラールに関する規制の協力の行方を見守っている。これは両国が規制制度を合わせた場合、UAE当局から別にハラール認証を申請する必要がなくなるためである。 

同社は、ハラール食品事業の割合を現在の1%から5%に拡大することを目指している。

また、ハラール製品の原材料は、タイ、マレーシア、ベトナム、ペルーなど複数の国から調達し、加工・生産プロセスは日本にあるハラール専用工場で行う。、

ハラールと日本

岡氏は、日本におけるハラール市場の規模は小さいが、卸売業者と提携することで限界を克服することができると述べた。

大栄フーズが日本で直面した課題の1つに、ハラール製品だけを輸送する物流資源が不足していることが挙げられる。そのため、現時点では、ハラール製品を母国で販売することができなかった。

しかし、同社は日本における流通範囲を広げる可能性のあるハラール食卸売業者を見つけた。

「当社は、日本でハラール卸売業者を見つけ、協議を進めているところです。卸売センターを通せば、ハラール食品を販売できる可能性もあります」

The Star」のレポートによると、日本ムスリム協会は、日本のイスラム教徒は約15万人と推定していると言う。