新会社「味の素食品株式会社」は、調味料・加工食品の製造・包装事業を行います。
現在、味の素株式会社およびその子会社であるクノール食品株式会社と味の素パッケージングは個別に運営が行われています。
味の素食品株式会社の発足では、味の素株式会社と2つの子会社、特に1)川崎事業所および東海事業所の調味料・加工食品の製造・包装事業、2)クノール食品の3工場、3)味の素パッケージングの2工場の統合を目指しています。
集約された製造部門の形成は、味の素グループの事業再編計画の一環であり、合計投資額は約3億5100万ドル(日本円で400億円)になります。
味の素食品株式会社は5つの工場を運営し、約2100名の従業員を配置します。
静岡県島田市にある工場が建設中であり、2019年度下半期の完成を予定しています。
この建設投資は約1億3100万ドル(日本円で150億円)です。
新工場では調味料やその他の製造・包装が統合されます。
事業再編と生産能力拡大により、味の素グループは事業利益率を約2%成長させ、2022年度以降は年間で約6100万ドル(70億円)のEBITDA(利払い前・税引き前・減価償却前利益)の改善を目指します。
さらなる統合
今後数年間で製造・包装事業がさらに合理化されます。
2020年4月までに、味の素食品株式会社が運営する5つの工場の2つが、1つの工場に集約されます。
そして2021年度までに、味の素食品株式会社は川崎、静岡、三重3つの工場のみを運営する予定です。
プレスリリースでは、「ICTや自動化など最先端技術を応用して効率を飛躍的に高めることで、味の素株式会社は顧客の要求に柔軟かつ迅速に対応する世界最高レベルの製造を目指しています」と述べています。
継続的な集約は明らかに、人口高齢化に伴って減少する労働力に対応するための先回りの動きです。
「労働者人口の減少が予想されるため、安定した生産を支えるために必要な人員を確保することが難しくなります。同時に、ICTやその他の技術の急速な進歩は、これからの生産システムを大きく変えることが期待されています」と同社は説明しています。
事業業績
国内市場の激しい競争により、味の素株式会社の日本食品生産部門の売上は前年比で4.4%下落し、財務諸表で示されるように今年の6月末の四半期は約7億7300万ドル(881億円)となりました。
この減少は日本国内の激しい競争に直面している冷凍食品とコーヒー製品の売上減少によるものです。
全体として、日本の食品部門の事業利益は前年比46.5%減少の約4600万ドル(53億円)となりました。