これまでは、この「反核食」についての住民投票は、台湾政府により正式には受理されていませんでした。しかし、国民党はこれを賛成する470,000枚もの署名を集めることに成功しました。
住民投票を法的に実施するに必要なのは、280,000の署名のみであることを考慮すると、これは政府にかなりの圧力を与えました。投票率が25%を越えると、投票結果は法的に有効とみなされます。
台湾政府は最近、日本製食品の輸入禁止に対する姿勢緩和を見せていました。
「日本製食品の輸入に関する台湾の政策を見直す時期です。政府は、現在の地域的な輸入禁止ではなく、米国に追随しリスクベースの制限を採用するかもしれません。」 台湾の衛生福利部部長、陳時中は今年初めにこう語っていました。
「日本製食品」と「放射能汚染食品」とを区別すべきです」とも付け加えています。
したがって、この肯定的な住民投票の結果に従う場合は、日本との関係が微妙になります。
台湾と中国だけが、上記の食品輸入に対する包括的な禁止を維持しています。
住民投票法案の提出は、国民党の「反大気汚染」および「反深澳発電所」住民投票とともに行われました。
別の政府報道官も、住民に対して「この件では政治要素を除く」ようにと依頼しています。
産品に対する禁止令
2011の福島での核事故以降の全面的禁止は、当時の台湾政府が福島県およびその周辺の茨城、群馬、栃木、千葉県産の全産物の禁止令を発したことに始まります。
日本による核検査により、福島産の米は核事故以来初めて要件に合格したにもかかわらず、台湾は、日本が世界貿易機関(WTO)に問題を提起すると威嚇しても、禁止令を維持することにこだわっています。
禁止地域を含む数百もの日本産品が他県製のものとしてラベル付けられて販売されることが、台湾のスーパーマーケットで発見した事件以来、禁止令はますます強化されました。
台湾は、あらゆる日本産輸入食品には産地証明書が必要であるという要件を発行しました。その中には、追加の放射能検査証明書が必要なものもあります。
当時、台湾は日本にとっての食品および農産品の第三輸出相手でした。
2016年に、新政権は禁止令を福島産の産品だけに維持し、他県の産品については検査に合格すれば許可するように提案しました。
しかし、この件に関する公聴会の不始末により暴力事件まで発展してしまい、通過にはいたりませんでした。
その年の終わりに、五県からの産品が店舗の棚で見つかったことから、FDAはさらなる行動を起こしました。
Taiwan Newsによると、FDAのNorthern Centre for Regional Administration部長であるChiu Hsiu-yiは、FDA は 「日本からの輸入食品に対する検査を厳格化し、輸入業者と販売業者に対し県名を含む原産地を、製品ラベルに中国語で記載するように指示する」であろうと言っています。
他国での禁止令
2017年に、WTOは韓国からの4度目の申し立てに対し、日本に有利な判決を下しました。
「[これ]は台湾での禁止令を解除するための試みを再開するきかっけかもしれない」 と SeafoodSourceは報道しています。
香港は今年7月に、茨城、群馬、栃木、千葉からの産品に対する禁止令を緩和すると発表しています。
これには、生鮮食品や乳製品も含まれます。福島の産品に対する禁止令は維持されています。
日本の農林水産大臣の斎藤健氏は「輸入制限の緩和を大変うれしく思います」 と語っています。
大臣は、香港は日本の輸出の四分の一近くを占めており、日本の最大の輸出市場であるとも付け加えています。