昨年の時点で、ネスレ日本の総売上でオンライン通販を含めたメール注文による売上は15%を占めた。
オンラインでの売上を伸ばすため、ネスカフェ アンバサダーやネスレ ウェルネス アンバサダープログラムなどのアンバサダープログラムにより定期便の強化に力を入れていると、ネスレ日本のメディアリレーションズ室長である細川得央氏は『FoodNavigator-Asia』に語った。
「弊社では、ネスカフェアンバサダーやネスレ ウェルネス アンバサダーを中心とした家庭や企業での定期購入サービスを引き続き強化していく所存です」 と、細川氏は語る。
「ネスカフェアンバサダーは100%定期購入サービスで、弊社のオンライン売上に大きく貢献しています」
2012年に開始されたネスカフェ アンバサダーは、同社が2010年にオンライン販売を開始してからの主力サービスである。
この家庭外のコーヒー需要のためのビジネスモデルは、ネスレ専用オンラインショップでコーヒーのカプセルを購入する会社員をターゲットとしており、消費者が 「職場でリーズナブルな価格にて美味しいコーヒーを気軽に飲める」 ことを目的としている。
現在、ネスカフェアンバサダーは40万人、ネスカフェ ウェルネス アンバサダーは9万人いる。
ネスレ日本では、2020年までにネスカフェアンバサダーを70万人、ネスカフェ ウェルネス アンバサダーを25万人まで増やしたいと考えている。
昨年、ネスレ日本は 「新しいビジネスモデルにより健康的な生活を営む上での問題解決に取り組む」 ためにウェルネス アンバサダー プログラムに着手した。
同プログラムではコラーゲン、アミノ酸、食物繊維を含んだケールや牛乳のスムージー、グルコサミン、イチョウの葉エキスなどがブレンドされた抹茶などの健康飲料オプションが提供されている。
ネスカフェ商品と同様に、カプセルタイプの飲料も販売されている。
オンラインでの売上は伸びているが、今もスーパーマーケットが主な販売経路であると細川氏は強調した。
細川氏によると、ネスレ日本では2017年12月の時点で8年連続で売上と利益が増加している。
昨年、総売上は2010年から30%増加し、ネスレ日本の売上はネスレグループ先進国市場の0.7%と比較して2.8%の伸びを示しており、グループ全体の収益性を左右する決定要因になっている。
コーヒーのテイクアウト
ネスカフェアンバサダーの成功に伴い、ネスレ日本のオンライン販売でのコーヒーカプセルの売上は絶好調になっている。
細川氏は、ドルチェグスト カプセルとネスカフェ ゴールドブレンド バリスタマシンのネスカフェ エコ&システム パックは、オンラインでの2大ベストセラー商品であると指摘する。オンライン取引の大半は、東京で行われた。
経済産業省によると、日本でのB2C EC(消費者向け電子商取引)市場は2016年の15.1兆円から昨年の16.5兆円まで9.1%拡大しているそうだ。
2010年の時点では、B2C EC市場の価値は7.7兆円で昨年の半分の数字にも達していない。
国内のB2B EC(企業間電子商取引)市場も、2016年の291兆円から昨年の317.2兆円へと9%の成長を示している。