セブンイレブン、新しい宅配サービスで eコマース大手の楽天や Amazon に対抗

日本最大のコンビニチェーンであるセブンイレブンは、楽天や Amazon などによって占められている eコマース業界に参入するため、24 時間の宅配サービス「ネットコンビニ」を開始しました。

これでセブンイレブンの顧客は、スマートフォンを使って注文すれば、1〜2 時間後にその商品を受け取ることができます。商品は、自宅や職場に配達してもらうことが可能です。

ネットコンビニ(コンビニは日本でのコンビニエンスストアの略称です)は、10 月に開始された時点では札幌のみを対象とした限定的なサービスでしたが、来年の 8 月までには北海道の他の都市の 1,000 店舗でも展開される予定です。

同社は、まず需要を評価してから、最終的には国内の全店舗にこのサービスを拡大することを計画しています。

この計画は、広く展開するセブンイレブンの実店舗を活用して、新しいオンラインによる eコマースと宅配サービスを展開するものです。

この店舗ネットワークこそが、eコマースポータルに対抗するための同社の武器になります。

同社社長の古屋一樹氏は、2 万店の店舗を使って 2,800 種類の商品を即座に配達するというのは、セブンイレブンだけが実現できるサービスでしょう」と語っています。

2,800 種類の商品の中には、おにぎりや弁当などの日常食品も含まれます。

現在、最低注文金額は 1,000 円(約9.10米ドル)で、配達料として 216 円(約2米ドル)がかかります。ただし、注文金額が 3,000 円(約27.30米ドル)を超える場合は、配達料は無料になります。

同サービスでは、物流会社のセイノーホールディングスとパートナーシップを結び、宅配トラックがセブンイレブンの直販店から注文商品を受け取り、顧客に配達します。

顧客は、午前 11 時〜午後 8 時までの間で配達の時間枠を選ぶことができます。

成長する宅配サービス

食品および日用品の小売市場が激化する中国同様、日本でもさまざまなスーパーマーケットが宅配サービスを開始しています。

以前、日本の eコマース大手楽天と小売大手の西友(ウォルマートの子会社)が合弁事業契約を結び、新しいオンライン日用品宅配サービス「楽天西友ネットスーパー」に着手したことをレポートしました。同サービスは、今年の第 3 四半期に開始する予定です。

西友は、北海道から九州まで全国をまたいで小売チェーン店を展開して、生鮮食品、日用品、アパレルを販売しています。他方の楽天は、日本最大の eコマースサイトです。

Amazon Japan は、昨年の 4 月に日用品宅配サービス Amazon フレッシュを開始しました。

また、今年 3 月には株式会社ローソンが「ローソンフレッシュピック」を開始。これは、スマートフォンを使って専用アプリから注文すると、都内および神奈川の 200 以上の店頭で商品を受け取ることができるサービスです。

購入できる商品は約 500 種類で、これには通常店舗に陳列されていない商品も含まれます。

毎日新聞によると、ローソンはすでに生鮮食品の宅配を提供していましたが、顧客が自宅にいないときに配達されることが多いという苦情があったそうです。

セブンイレブンの新しい宅配サービスは、コンビニにとって国内初になります。

2000 年以降、セブンイレブンは食事の宅配サービスである「セブンミール」を運営してきました。しかし、このサービスは主に弁当などの加工食品に限定されています。

セブンイレブンの主導が続く

IGD によると、コンビニは今後 5 年間のアジアで最も成長速度の速い実店舗チャンネルになり、その中でも同地域のコンビニ業界の主導権を握るセブンイレブンの CAGR は、2022 年まで 5.7% 増加すると予想されています。

セブンイレブンは、日本で初めて 2 万店舗を超えた小売店です。また、同社は増加する外国人客に対応するため、加工調理済み食品のラベルを英語記載にする取り組みも始めています。