Craft Beer Clanとして貿易を営むJW Filshillの責任者であるChristopher Miller氏は、同社ではアジア太平洋地域におけるスコットランドの高級飲食品の混載輸入業者となることを目指していると語っています。
「富裕な消費者と新興中流階層からの(西洋の)高品質プレミアム飲料に対する需要の増加を踏まえると、アジア太平洋はこの事業の成長の鍵となります」と、Miller氏は語っています。
彼はこの1年でアジア太平洋地域において約100%の事業成長を見てきて、最近でも日本だけで約13万ドル規模の新規契約を獲得してきたと語りました。日本では主流ビールの売上は停滞しているが、クラフトビールの需要は増えています。
「アジア太平洋地域への輸出量は倍増しています」と彼は言います。
「今後もアジア地域におけるスコットランド産クラフトビールと醸造酒の売上は好調でしょう」
現在、JW Filshillは香港を含む中国、台湾、韓国、ベトナム、日本、中東に対する輸出事業を営んでいます。最近では、香港、韓国、ベトナムの新規輸入業者と契約を締結したとMiller氏は言います。
これらの国では輸入酒や高級アルコール飲料に対する消費者の需要が高いため、JW Filshillにとって主要な市場であるとのことです。また、蒸留酒以外にもこれらの国でのクラフトビール市場は成長を続けていると、彼は語っています。
「製品については、原産地、生産者、理想的な注ぎ方、酒に合うおつまみなどにも関心が強いです」とMiller氏は言います。
アジアをターゲットにしたクラフトビール
アジア太平洋地域に輸出されている主流ブランドは、アイラ島のウィスキー樽で熟成されたスプルスエール、スペイサイドのウィスキー樽で熟成されたレッドライエール、ハイランド地方のウィスキー樽で熟成されたゴールデンエール、ローランド地方のウィスキー樽で熟成されたインペリアル・スタウトの、クランブリューイング社の4種類のクラフトビールです。
ビール職人のScott Williams氏とクエイヒの杜氏であるCharles MacLean氏は、ウィスキー樽がビールにバニラ、オーク、シェリー等の香りをつけ独自の品質をしみこませ、ビールの複雑な層に深みを加えるのだと語っていました。
この「甘美かつ複雑な味わい」のビールのアルコール度数は8%です。
近年の日本での取引
Miller氏とJW Filshillの常務取締役であるSimon Hannah氏は、スコットランドの醸造酒とクラフトビールを輸出するために、2018年3月に日本のFoodExで複数の契約を締結しました。
JW Filshillは4社の輸入業者を任命し、日本への20台の蒸留酒器の輸出について合意を交わし、現在35の新商品が市場に出ています。
Miller氏は、日本市場における輸入ネットワークを介してこの数字は大幅に増えていくだろうと予測しています。同社はこの地域を担当する代理人を既に任命しています。
「現在、弊社では日本の4社の輸入業者と取引を交わし、スコットランドの18社からの商品と約50のSKUを一手に扱っています」とMiller氏は語っています。
これらの取引の前に、同社では去年eコマースサイトAmazonでスコットランド産クラフト商品を販売するための契約を結んでいました。
4社の輸入業者により日本に輸出されているブランドにはPickering’s Gin、Clan Brewing Company、Eden.Mill、Glasgow Distillery、McQueen、Strathearn、Williams Brothers、West Beerが含まれ、同社ではスコッチモルト販売株式会社とAmazonで10台の新しい蒸留酒器と17の商品の初回注文を受けたとMiller氏は言います。
「今までのところ、日本の消費者には売れ行きが好調で、市場での売上率は伸びています」
Miller氏によると、同社の成功はスコットランド国際開発庁(SDI)、Scotland Food and Drink、醸造会社、蒸留酒製造者との密接な連携によるところが大きいそうです。
1875年に設立されグラスゴーを拠点とするJW Filshillでは、最近では製造者との提携を増やし、現在ではスコットランド全域で40以上の醸造酒職人と40名の蒸留酒職人と働いています。
同社は200名以上の従業員を雇用し、スコットランドや英国北部で約8000の商品を1400の企業に供給し、1億4200万フランの売上を記録しています。
また、JW Filshillではスコットランドで175店舗のコンビニエンスストア「KeyStore」を運営しています。