Healthy Ageing APAC サミット:日本の専門家が栄養と食事の持つ力にスポットを当てる

すこやかな老後に関する製品開発と研究の最前線で活躍してきた日本。その日本から来た専門家2人が6月に開催されるHealthy Ageing APAC サミットでインサイトを共有します。

NutraIngredients-AsiaFoodNavigator-Asiaが主催する本イベントは、612日と13日の2日間、シンガポールで開催されます。

アジア太平洋地域には、世界の高齢者(高齢者の年齢を60才以上と定義した場合)の約60%が居住しています。当地域の高齢者の数は、2050年までに現在の5億4,700万人から13億万人に倍増すると見られています。

本サミットでは、こうした人口動態の変化により、業界が現在そして未来の高齢消費者向けの革新的かつ栄養価の高い商品を創作するという点から、機会を評価します。

基調講演者のうち2人は、日本から出席します。

まず、食品メーカーNUTRI Coのスズキナオミが高機能な嚥下食(咀嚼しやすい食品で、本物の味に近づけたもの)について説明します。

嚥下」とは、「飲み込む」ことを意味する日本語です。年齢が上がるにつれて、嚥下が難しくなっていきます。日本では、毎年、食べ物をのどに詰まらせて亡くなる人の数が交通事故を上回っているのが実状です。

NUTRI Coは、日本における嚥下食開発(食品を改質した後、窒息のリスクをなくした状態で元の形状に近づけるプロセス)の最前線に立って活躍しています。

本講演では、スズキ氏は嚥下食が作られる過程とともに、病院や養護施設(老人ホーム)で嚥下食を提供する理由について説明します。

微生物叢の影響

スズキ氏とともに出席するのは、日本抗加齢医学会のBejit Ideas博士で、100才以上の日本人の微生物叢によって、健康な老後のための新しいソリューションは作られていることを説明します。

沖縄の100才以上の高齢者の微生物叢とシグナル伝達経路の研究により、彼らは長寿と関連性のある特殊な腸内バクテリアプロフィールがあることが明らかになったことを発表する予定です。

発表では、いかにこれらの研究結果が、脳の可塑性を助け、サルコペニアを防ぐ革新的で健康な食品ソリューションの開発に繋がったかを評価します。

その他の講演者については、Blackmores Institute所長のLesley Braun博士、Swisse政府関係代表者のJustin Howden、そして中国ネスレリサーチセンター副所長のYu Kaiなどが決定しています。

NutraIngredients-AsiaおよびFoodNavigator-Asiaの編集長、Gary Scattergoodは次のように語ります。「アジア太平洋地域における高齢化社会と平均寿命の延びは、高齢者に適した栄養と食品の需要が高まることを意味しています。一方、若い世代の中でも、今の自分の栄養や健康に関する選択肢が老後の生活の質に影響することを認識する人が増えています。」

「つまり、このイベントは、事業体、政策立案者、学識者が一堂に集まり、さまざまな世代のニーズを満たすために栄養や食品業界が果たさなくてはならない役割を評価するものです。」

会場はヒルトン・シンガポールにあります。円卓を囲む昼食会やイブニングカクテルレセプションなど、さまざまなネットワーク作りのチャンスも用意されています。